これは 私の友人の体験談です。
今日、すごく久し振りに友人とランチをしてきました。その時聞いた彼女の話がなんだか悔しいというか、納得できない気がしました。
最近ブログに挑戦していることは前から話していましたので、一つのエピソードとして掲載してもいいと言ってくれましたので、お話してみたいと思います。
子どもはまだ小さいけど再就職を目指した友人
彼女は私よりも一回り以上若いアラフォー主婦です。彼女も高齢出産組で、まだお子さんは2歳になったばかりくらいです。可愛い盛りです。
昔から頑張り屋で仕事も正確。いわゆる「出来る人」です。
人柄も申し分のない信頼のおける友人です。
そんな彼女が最近仕事を探し始めていたようで、その時の出来事です。
求人広告を見て、何度もトライ。でも…
新聞の折込の求人広告で主に探していて、何軒か面接に行ったのですが、上手くいかなかったそうです。
彼女は事務職しか経験が有りません。私も同じなのでわかるのですが、これといった資格も無く、何度か転職しています。結婚、出産によるものだけでなく、若い時期にも、たとえば家庭の事情などで仕事を辞めざるを得なかった場合も有ったようです。
履歴書を実際に書いてみるとよくわかります。職歴欄はびっしり書き込みが有り、資格の欄は真っ白…というのは私の場合ですが、彼女もそう変わらないみたいで、転職が多いのはあまり歓迎されないですね。まあ当たり前かもしれませんが、やはり再就職は厳しかったようです。私も今の職に就くまで結構しんどい思いしています。
好条件の募集に高まる意欲
そんな中、とても良い条件の求人を見つけたそうです。
事務職 正社員 1名
某用具の製造、販売を手掛ける会社です。
本社は、かなりのどかな地域に有るようですが、国内だけでなく海外にも支店が有る、わりと規模の大きい会社だったそうです。
その営業所の一つで事務員を募集していたのでした。
私はあまり聞いたことない企業だなと思ったのですが、その方面では知られた会社なのでしょう。
給与面、福利厚生も申し分なく、場所も近かったので、すごく入りたいと思ったそうです。
履歴書送付で、後日面接試験の通知を送ると有ったので、もしかしたら書類審査の時点で落ちるかもと心配したようですが、通知が来て嬉しかったと言っていました。
市内の大きめの会館が面接会場でした。通知には開始時間は書いてありましたが、終了時間は明記されていませんでした。とりあえず、お子さんを時間制で預かってくれる保育施設に預けて面接に行きました。
いざ面接会場へ
会場に行くと、ざっと見ても50~60人位いたそうで、びっくりしたそうです。スーツをビシッと決めた若い女性が多かったそうです。もう彼女はこの時点で気後れしてしまったようです。
条件が良かったので、多くの応募が有ったのですね。アラフォーで転職も多く、出産、育児でブランクが数年有り、これと言って特技も無い自分には場違いだったのではと後悔したそうです。
でもせっかく来たのですからと気を取り直し、受付を済ませて会場に入りました。
最初に本社から駆け付けたという重役の方がご挨拶をされ、そのあと、自社のPRビデオを見せられたそうです。いざ働いていただくようになれば、自社のことをしっかり把握して臨んで欲しいとの事だったらしいですが、全員に必要ですかね?
これだけでも1時間くらいかかったそうです。この中で採用されるのは1人だけです。全員が見る必要があったのかなとつい思ってしまいます。(ただの自慢ビデオだし…)働かない人にとっては何の役にも立たない内容です。
すみません。ちょっと毒舌ですね。
高まった意欲が音をたてて崩れていく…
その後、筆記試験になりました。常識問題的なものだろうと思っていた彼女は、テスト用紙を見て、絶句したそうです。
問題数の多さもさることながら内容が…
ほぼ英語の問題だったそうです。
しかも設問も英文で書かれており、もちろん答えも英語で記入というものです。
そう言えばさっきのビデオでしきりに海外に支店が有ることを強調してたなと思ったそうです。募集している営業所も海外の支店から、電話がかかるとか言ってたっけ…
彼女はそんなことを思い返しながら途方にくれたそうです。英会話なんて習ったことないし、学校で習った程度の英語力ではとてもそんな長文を読解して、英語で答えるなんて出来やしません。
白紙で提出するしか有りませんでした。番号を選ぶといった答え方ではありませんし、日本語でもないので、形だけでも答案を埋めるといったことも出来ません。1時間近いテスト時間を呆然としたまま過ごしました。
途中で帰ろうとも思ったそうです。預けたままのお子さんのことも気になるし、テストが0点では受かるはずがありません。
でも真面目な彼女は途中で投げ出して帰るのは失礼だと思い、なんとか面接で熱意を訴えてみようと、ここでもなんとか気を取り直し、最後まで頑張ろうと思ったそうです。
彼女らしいです。
緊張のまま面接室へ
しかし、次の面接が、私は特にどうなのと思いました。
順番に4人ずつ面接室に入り、終わった人から順次帰るというものでした。
彼女は真ん中あたりの順番だったそうです。中に入ると4人の面接官がいて、1人50代くらいの女性がいたそうです。ちょうど私くらいの年配だったらしく、緊張していた彼女は少しだけほっとしたそうです。
4人中3番目でした。1人目、2人目と転職した理由や家族構成など、けっこうシビアな質問が有ったそうです。
転職の理由を病弱な母親を支えるためと答えた女性に、「休んだり辞めたりというリスクは無いのか?」「当社でも同じことが有るのではないか?」といった、かなり踏み込んだ質問だったようです。
お金をかけて募集をしてるのですから、シビアなのは多少仕方ないにしても、随分失礼な気がするのは私だけでしょうか? そこまではっきり言う必要ありますかね。
彼女はそんなやり取りを聞きながら、だんだん不安と緊張が高まったそうです。(わかるわ…)
いよいよ自分の番です。女性の面接官が最初に口を開きました。
「どうしてですか?」
そう言われたそうです。あまりに想定外の言葉だったので、一瞬「へっ?」と言いそうに…
女性は言葉を続けます。
「お子さんまだ小さいですよね。どうして働くんですか?旦那さんの年齢ならそこそこ収入が有るでしょうから、働く必要ないんじゃないですか?家でお子さんと過ごしたらいかがですか?」
と言われたそうです。転職理由とかいろいろ答えを用意していたのですが、こうくるとは…
働きたい理由を一生懸命彼女は訴えましたが、届かなかったようです。他の面接官の質問はなく「はい結構です」と言われ、次の方に質問が移りました。
(これだけ…? もう終わり? 仕事のスキルなど聞いてくれないの…?)
そこまでで費やした時間は3時間です。
無駄なビデオを見せられ、英語だらけのテストを受けさせられ、とどめにこの面接。
最後の最後で心折れる…
私聞いててすごく腹が立ちました。いや面接なんてこんなもんだよ、厳しいもんだよ、認識が甘いよというご意見が有るかもしれませんが、どうでしょうか?
彼女の話では、求人広告の資格欄に<英会話堪能>といった文字は無かったそうです。だからこそ彼女も応募したのです。海外支店の話も会場で知ったのです。わかっていれば応募しなかったでしょう。
今は制度がどうなのか私ははっきりとは知らないのですが、事前に履歴書を送らせるのであれば書類選考で、職歴や学歴、英検などの資格がないとかわかりますよね。全文英語の試験なんてよっぽど英会話堪能とか現役大学生などでないと無理じゃないですか?
子どもと家で過ごせだなんてもう結果見るまでもなくあなたは戦力外と宣言されてるようなものです。
なんて傲慢なんでしょう?
とにかく黙っていられない気がして、ついお話してしまいました。
こんなふうに腹を立てる私が世間知らずなのでしょうか?
最後までお読みいただき有難うございます。
コメント